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野生動物の救護
衰弱している野生鳥獣をみつけた時は…
保護した方がいいのかどうか、まず判断してください(特に野鳥のヒナでは親が近くにいて、そっとしておいた方がいい場合も多々あります)。
保護した場合は、関連機関(県内の各振興局内、保健所衛生環境課)へまずご連絡下さい。
緊急を要する場合は、野生鳥獣救護指定医のいる動物病院へ。
※ご注意
・動物によってはさわると危険な場合がありますのでご注意下さい。
・猛禽類は嘴(クチバシ)の他、するどい爪にも注意が必要です。
・サギなどでは、長い首をすぼめていることが多く、いきなり首を伸ばして人の目を攻撃することがあります。
・顔は絶対に近付けないで下さい。その射程距離は想像以上に長いものです。
・希少種に指定されている動物である可能性や、人畜共通感染症の危険性もあります。専門家に任せましょう。
・関係機関や獣医師に連絡のないまま野生動物を捕獲・飼育した場合は鳥獣法違反になる場合もあります。
野鳥のヒナを見つけたら
■ ヒナが元気そうであれば…
まだ飛べないが、羽ははえそろっていて、外傷もなく元気そうであれば、巣立ち直後のヒナで親鳥が近くにいる可能性が高いと判断します。 (4〜7月の間、「野鳥のヒナをみつけましたが、どうすればいいですか?」という問い合わせがよくありますが、多くは保護をする必要のない巣立ちしたばかりのヒナです)人間が近寄ってきたので、親鳥は身を隠したのです。人間が近くにいると親鳥はヒナに近寄れませんので、そっとその場を離れましょう。
■巣が落ちていたり、巣からヒナが落ちている場合は…
外傷がなければ、落ちているヒナを巣にもどしてください。巣ごと落ちている場合は、巣を補強してもとあったところに付けなおします。巣がこわれてしまっていたら、箱を利用して巣のあった場所に付けて下さい。このような処置をして、親鳥がもどってきてヒナに給餌しているかどうか確認してください。
巣をもどせないときは、ヒナを鳥かごに入れて親鳥から見えるところに置いておくと親鳥がやってきて網の隙間から給餌します。ヒナが成長したら鳥かごの出口を開けて巣立ちさせます。
もし人通りが多いなどヒナが危険な状態のようでしたら、木の枝に止まらせたり、箱に入れて高い所に置いて下さい。親鳥はヒナのもとへ戻って世話をします。
釣りをされる方へ
釣りの盛んな本県では、釣り針やテグスが鳥のからだに刺さったり巻き付いたりする事故がよく発生します。釣り人の皆さん、釣りを楽しんだあとは周りに釣り針やテグスが落ちていないか、確認して下さい。もし見つけたら一般のゴミ同様、持ち帰り処理しましょう。少しの注意が、一つの命を守ることにつながります。自然の中で楽しみを満喫できるように、自然を守りましょう。
■サビキ針・テグスが巻き付いたセグロカモメの1例
(症例提供 サン・スポット動物病院 平 伸紀)
↑嘴に複数の針や長いテグスがからまって、口を開けることも閉じることもできない状態
↑翼にも2本の針が刺さっています
↑除去した針とテグス
↑口を閉じることができなかったため乾燥し、炎症や壊死を起こしている舌
近赤外線照射治療中のカモメ(麻酔下)。 このカモメは幸い、翌日には元気に魚をよく食べ、4日間の入院の後放鳥しました。本当によかったですね。保護していただいた方、ありがとうございました